Newtown House

京都のニュータウンに建つ若い夫婦のための住宅です。

この住宅の計画がスタートした頃、敷地の周辺にはすでに家が建ち並んでいて、ニュータウンらしい風景が完成していました。

すでに出来上がったニュータウンの風景の中に後からやってきた住宅がニュータウンの何を引き継ぎ、ニュータウンに何を残せるのか。

 

ニュータウンには当然のようにたくさんの家があり、さらにその家のひとつひとつは大小様々な家型の組み合わせでできていました。

解像度を上げても下げても家型の組み合わせというフラクタル(自己相似形)な構成が街を特徴づけているように感じ、ニュータウンの縮図のような家、街の成り立ちそのものを住宅化することを試みました。 

ここで見られる多くの家型で構成された家たちは、ただ雨を流すためだけに便宜的に設けられた屋根ばかりでした。
しかし、屋根とは本来、人間の居場所を作り出すものです。
この住宅では家型の連なりが内部空間に直接影響し、屋根と身体が親密に感じられる空間を目指しています。

そのため周辺の家よりも少し急な勾配(矩勾配)の屋根を設け、部屋の中心がもっとも高く、天井が下がって来たところが部屋の終わりとなるような断面形状とし、屋根によって包み込まれるおおらかな空間を計画しました。

 

また、この住宅が建つ前は公園の様な空き地だったので、そこは近所の子供たちの遊び場であり、奥様たちの井戸ばた会議場でした。

そのような質を残したいと考え、玄関に大きな土間と奥には空に抜ける大きな開口部、そして様々な行為を誘発する段差のある床を計画しました。

玄関前のベンチから上框、ほりごたつテーブルなど徐々に家の中に上がり込むための仕掛けを散りばめ、街にとっての公園のような空間を中心に大きく配置しました。

 

家型に包まれた住宅と家型が反復するニュータウンと家型にような山並みまでが一続きの風景となる、そんなニュータウンの新しい関係性を目指しました。

photo/Yohei Sasakura

2016.08
所在地 :京都府京都市
用途 :専用住宅
構造 :木造
敷地面積 :164.48m2
建築面積 :  99.02m2
延床面積 :132.04m2
 
共同設計者 湯川晃平
構造設計:萬田隆構造設計事務所

掲載誌

新建築 住宅特集 2017年11月号

LiVES Vol.97 2018最新住宅スタイル

MARU NO.185 (韓国)

habitus #38 (オーストラリア)